「忘れられてたとか…俺…。」
「悪ぃ!!」
「でも、ま、その人悪い人じゃないから。どうせ、竜希は友達大好きだから泣かせたりしないでしょ?」
「…まあな。」
「甘いなぁー。」
隆樹は優花に対して恨んだりしてない。
むしろ良い印象みたいだ。
誘拐犯に良い印象なんて変だが。
「隆樹は優花を恨んでない。だから警察には言わない。だから優花も私のことは内緒にしてくれない?」
「え、本当に良いの…?私がやったなんて証拠ないんだよ?」
「いや、ある。」
そう答えるのは髪を後ろで束ねた人。
目つきはよくない。
とっつきにくそう。
「何のこと玲二?」
「これだ。」
玲二と呼ばれた人はポケットからカセットテープを取り出した。
「録音済み。」
「夏目先輩…どっからっすか?」
「初めの方。リューと花園さんが話始めたころ。」
「どうやって!!??」
「…宗太郎さん…。」
「だれ!?」
バサバサと頭上から降りてきた何か。
そいつは夏目先輩の肩にとまった。
いやいや、ソイツは明らかに…
「ハト!!!????」
「宗太郎さんは俺の相方。」
「え゙。」
いや、なんというか。
相方がハトって。
しかも名前に"さん"つけてるし。
なんなんだこの人。
友達…いるのかな。
「友達はいるよ?」
「げ、心読まれた…。」
「おい、栗原。宗太郎さんナメるなよ。少なくともお前よりは頭はいい。」
「ポッポー!」
「ぬぅ。」
ハトの顔を見つめる。
なるほど、頭は良さそう。


