我が儘なお嬢様は今の自分がやってることの重さを分かってないようだ。
誘拐っていう大罪を犯しているのに。
「誘拐がバレたら捕まるでしょ?」
「花園グループにだって敵対視する暴力団ぐらいあるよ。そいつらに脅されましたって言えば、平気でしょ?」
優花あんたは自分の罪をなすりつけるのか?
「最低。」
「最低はアンタでしょ、体で…。」
「そんなことしてないって言っても信じちゃくれないよな。優花が私を憎いなら仕方ない。でもそれで誘拐したり、増してや罪を人になすりつけるな!!!そんなワガママじゃやってけない!!何も手に入らない!!」
「うるさい!!うるさい!!金さえあれば全部手に入るの!!世の中のクズに指図されたくない!!アンタなんか死んじゃえ!!!」
するとどこにいたんだか、柄の悪い連中がワラワラとやってきた。
数えれば…80人くらい。
バットや鉄パイプを持った野郎が私を睨む。
「おいおいマジか。」
これガチで私死ぬ気がする。
目の前のロン毛野郎が鉄パイプを振り上げる。
私はすぐ避ける。
振り上げる時間が長いんだよ。
下手くそ。
振り下ろした瞬間私は首筋に手刀をかます。
「ぐっ…」
よろつくロン毛野郎に蹴りを入れ、まず一人目。
直ぐにバットが振り上げられる。
コイツも長い。
私は腹を一発殴る。
「うはぁっ……」
二人。
後ろから鉄パイプが来る。
私はしゃがみこんで鉄パイプは空を切る。
すかさず、足を蹴る。
三人。
次は拳がきた。
ギリギリでかわして、顎を一発殴る。
四人。
しかし、
「ぐぁっ!!」
四人目を殴った瞬間を狙い、腹に蹴りが入る。
よろめくと、今だとばかりに顔を殴られる。
「はぁ…はぁ…。」
おいおい、仮にも女だぞ。
容赦ないな、この人たち。


