目の前にそびえる廃棄ビル、白波ビル。
めったに人が近づかない地域。
怒りと悲しみと不安。
この3つが私を悩ませる。
どれが一番デカいかと聞かれたら、怒りだろう。
今までも多少ケンカしてきたし、慣れてるといえば慣れてる。
でも今回の相手は優花。
友達相手に何が出来るか。
私は思い切って一歩踏み出す。
地下は薄暗い。
うっすら、シルエットが見える。
やっぱりいた。
「優花…。」
隣には口をガムテープで塞がれ、手足を縛られた隆樹。
殴られたりはしてないようだ。
「何?うっそ、1人?」
「1人…だけど。」
優花は笑っていた。
どうして。
「警察とか、せめて舎弟10人位連れなさいよ。ねぇ栗原次期組長さん?」
「知ってたんだ…私の事。」
憎たらしく私を呼ぶ優花。
何がしたい?
「調べたらビックリよ!!いい子面して実はヤクザでした!!あり得ないよね!!」
「…………。」
「しかも次期当主って!だから、男たぶらかすのうまいわけだ!?金田くんに始まり、沢村会長でしょ、伊月くん!!イケメンばっかり!!」
「……………。」
「金田くんに至っては、女嫌いでしょ?どうやって落としたの?体?あはは、さすがヤクザ!!」
ああ、コレが普通だよね。
暴力団って聞いたらすぐに悪者扱い。
わかってるよ。
「優花は…金田が好きなんだろ?」
「は?何言って…。」
「仲がいい私が憎い?」
「っ………。」
「私が暴力団の次期組長だって、言いふらす気?」
「ふ、そう!!憎い!!!何で可愛くもない女に金田くんが付いてくのか分からない!!それで弱み探したらこんなのが出たの!!勿論、言いふらすよ!」
狂ったように声を上げる優花。
「調べるよう部下に頼んだら、ポロポロでるの、リューちゃんのお家について!!笑っちゃった!」


