私は急いで轟に電話をした。
金田が何をいいたいかは知らないが、妙な胸騒ぎ。
待っているコールが長く感じた。
たった4コールが怖かった。
「もしもし、ご無事ですかお嬢!!」
「は?私は元気だが?」
「事故に合われたのでは?」
「いや…元気だ。それより隆樹は?」
出た轟は随分焦っている。
焦っているのは私もだ。
「お嬢のお友達殿がお嬢が事故に合ったので家族を病院に連れてく、と言い若を連れ去りました!!!」
「な、名前は!?」
「花園優花殿です!!」
やられた!!!
私は思いっきり唇を噛みしめた。
どうすれば?
優花は友達だ。
警察なんぞにいえば捕まる。
優花…あれ何故、轟に名を教えた?
誘拐が目的なら名乗ってはいけない。
何で誘拐?
私自身を誘拐すればいい。
それに自宅を知られては私の事もバレて当然。
沢山の不安や謎が頭を巡る。
「轟、隆樹は遊びに行っていると父さんに言っとけ!!隆樹は私が連れ戻す。」
「お嬢、一人ではあぶな…」
プープープープー
私はある結論にたどり着いた。
これは、私をおびき寄せるための策略だ。
今日聞いた赤丸の話から私の事を憎んでる。
名前を轟に教えたことから、決して身の代金目的じゃないこと。
でも、誘拐なんかしたら花園グループは…下手したら潰れるんじゃないのか。
誘拐をもみ消す力があるのか。
誘拐のリスクよりも高いメリットがあるのか。
おびき寄せるなら…私はどこへ行けばいい?
あれやこれや考えているときに私の携帯がなった。
番号は、隆樹。


