グチグチ言い始めた赤丸だが、別に別れた女には興味なさそうだ。
ため息ばかりついていた赤丸だったが、突然ニッと口角あげて笑った。
「ところで、リューちゃん。花園の次の標的は誰だと思う?」
「知らん…です。」
赤丸は、ははっと笑ってタメだから敬語無しと言ってきた。
ああ、そういや同い年だ。
「ヒントはね、花園はミーハー。カッコイいやつ上げてけば当たるよ?」
「イケメンとか判別できないから分からん。」
「ぶはっ!!リューちゃ…それでも女子高生!?キンちゃん流石!!そこそこ可愛いのに、リューちゃんが俺のリストに乗ってない理由が分かったよ!!!」
「可愛い!?リスト??」
俺のターゲットリストさ!とキメ顔で言われた時には、肺の息がなくなるくらいにため息をついた。
だめだこの男。
私のリストに登録しておこう。
もちろんブラックリスト。
「キンちゃんだよ。キンちゃん。」
「か、金田!?」
「女嫌いで冷静な態度だけど、さり気ない優しさでギャップを感じる女子が多いんだよ。あ、リューちゃんには分からないと思うけど。」
「知りたくないわ。」
「いい?花園はキンちゃんを狙ってる。キンちゃんはリューちゃんを気に入ってる。花園は…どんな気持ちだろうね?」
「や、ヤキモチ?」
「そ。リューちゃんにその気がなくても、花園にはムカつく存在じゃないかな?その辺、自覚しなよ?」
「…優花…。」
大事な友達の優花。
お金持ちとは知ってたけど、独占欲がそんな強いとは。
私は金田のことはどうでもいいし、優花が金田好きならアタックすりゃいい。
正直言って私が出来ることはないけど。
この現状を打破するには…
「リューちゃんが俺と付き合えばいいんじゃない?」
クイッと顎を上げられる。
顔が近い。
いやいやそうじゃないだろ。
「何故。残念ながらスケコマシには興味ないから。」
「ちぇー。」
ビシッと手を退ける。
赤丸はブーブー言っている。
知らんスケコマシ。
「赤丸くん、教師の前で堂々不純異性交遊は良くないわ。」
「あれ、先生ヤキモチ?」
「死ぬの?」


