それはある3時間目の授業中である。
「気をつけ、礼。」
「お願いします。」
「しゃーっす!」
3時間目は体育であった。
ちなみにバレーボール。
「今日はゲームだ。25点マッチで3チーム交代でやれ。以上。」
「えー、ウチサーブ打てなーい。」
「うちなんかレシーブ出来ないよー。」
女子はこういう会話ばっかりする。
ぶっちゃけ私は嫌いだ。
イライラする。
バサッ。
「おー。さすがリューちゃん!!やる気満々だね!」
私はジャージを脱ぎ捨てた。
まだ寒いけど。
「だってバレーボール大好きだもんよ。ジャージなんか着てられるか。」
「熱血~っ!!」
「さー、始めるぞ。優花はレフト、打てなくてもいいから、確実に返そう!」
的確に指示する。
このクラスになってまだ1カ月だけど、もう慣れた。
「綾!!高くレシーブして!」
綾がカットしたボールが高く上がる。
私はトスする。
優花がそれを綺麗に返す。
女子高生のバレーだから、コートに返すだけで点は取れる。
女子高生は降ってくるボールに"きゃー"っつって逃げる。
案の定、ボールは相手コートに落ちた。
「綾ナイスカット!!優花も!!」
ハイタッチに行くと2人は微笑んでタッチした。
綾はバレーが苦手なのに、高くボールを上げることが出来た。
優花はオーバーでコートに返すことが出来た。
ここまで…ボールに自分から触れさせるって事まで随分かかった。
中には、何アレ熱血?とか言うやつもいる。
それが取り柄何です。私。


