「竜希~。差し入…」
入ってきた短髪の少年が石化した。
手に持っていた八ツ橋が落ちた。
ビクとも動かない。
まるで銅像のよう。
と思ったらガタガタ震えだした。
「…お……」
「え?」
「親父いいいい!!竜希がイケメンな兄ちゃんと…いイチャイチャしてる!!!!!!!」
「「はあ!!!!????」」
「なんだとオオオ!!??」
遠くからバタバタ走る音が聞こえる。
は?パパさんなのか!?
組長さんか!?
ヤバい俺の野生的第6感が悲鳴をあげてる。
ピシャッ
「竜希いいいい!!」
「そっちからか!!!!」
障子じゃなく逆側の襖が容赦なく開かれる。
「その男はだれじゃい!!!」
「お前がだれじゃい!!落ち着け父ちゃん!!」
「組長!!お嬢!!若!!話を聞いて下さい!!」
どこからともなく轟さんもやって来た。
あれ、さっきまでの弱々しい栗原はどこへ?
だんだんカオスになる状況を突っ立って見ることしか出来なかった。


