「…はあ。なんで俺がこんなこと…。」


沢村会長に頼まれ、近くのコンビニにお使い中の俺。
今日は疲れた。
なんだか意味の分からん女と絡む羽目になり、会長にお使い命令とは…ついてない。
コンビニ遠いんだよ。
どんな田舎だよ。


「あれ。」


コンビニを出ると10メートル先には、宇宙人もとい栗原がいた。
とことんついていない。
栗原は全速力で走って去っていった。


ポロッ


…携帯を落として。


「…仕方ない…。」


仕方なく俺も走って追いかけることにした。
携帯落として気が付かないってどういう鈍さだ。
栗原は角を曲がって、住宅地に入っていった。
だが、ここは裏の方で人気がない。


「おい、くりは…。」


追いつきそうになったので名前を呼ぼうとしたその時、厳つい3人組、そうこの前俺が倒した不良が栗原の前に現れた。

((不審者に狙われてます))

これが…。
俺は物陰に隠れた。
ヤバい。
だから注意しろっていったじゃないか。
栗原と不良のやり取りは聞こえないが、行動は見える。
何か喋っている。
不良は栗原の肩をつかみ、黒い車に乗せ…ってヤベェ!!!!!
俺は身を乗り出して叫んだ。


「栗原!!!!!」

「か…金田!?」


俺は不良の一人の胸ぐらを掴んだ。
そして殴りかかろうとした瞬間。


「何してんだ!金田!!」


拳をなんと小柄な女である栗原が止めた。
いや、その前になんで…。


「なんで止めるんだ!!」