「金田くん、またやったの?生徒会としての自覚ある?」

「大丈夫ですよ、裏の人気のないとこでやってますから。」

「あのねぇ…。」

「今日は、俺の用事です。こいつと2人で話したいです。」

「こいつ!?」

「…仕方ないねぇ。取って食うようなこと、やめてね。」

「食う!?」

「じゃねっ!!」


会長は行ってしまった。
いや、帰れとまでは言ってないが…まあいいや。


「で、目安箱でお前に関する…て、聞いてんのか?」

「……………。」


ぼへーとする目の前の女もどきにひたすら声をかける。
だが反応はない。
つくづく訳の分からないやつだ。


「おーい、聞いてんのかーい。」


すると顔をバッと上げたと思うと語り始めた。


「大変申し訳ないのですが、栗原竜希の貞操は本気で好意を抱いた人にしか渡さないので!!!!」

「は?貞操?…なんの話だ?」


「あれ、貞操関係ない?」


ダメだ。理解不能。
こいつはもう、俺んなかで宇宙人だ。


「いや全く。取りあえず時間がないから簡潔に話すけど。」


いかんいかん。
俺に限って女のペースに呑まれるなんて。


「お前危険なんだ。」


そうだ、色んな意味でお前は危険だ。


「頭が?知ってる知ってる。」

「ちげーわ。身の危険だ。狙われてんだよお前。」


自覚済みか。
お前は頭も危険だ。
避難警報発令だ。


「はい?というか名前呼んでください。私は栗原竜希!」


名前?宇宙人じゃないか?


「…悪かった。最近栗原周辺で不審なやつがいるって生徒会に依頼が来たんだよ。」

「ふ、不審者。」

「栗原、人望厚いからな。心配されてんだ。注意しろよ。」


「あれ、心配してくれてるんですか?」

「ち、ちげーよ。栗原は生徒会勧誘中と来てる。注意しないわけにいかないだろ。」


どれだけプラス思考で出来てるんだ、この脳みそは。
俺じゃなく、周りの人間が心配してるんだ。


「ご心配には及びません。私、強いんで!」


栗原は振り返ると手をふって席にもどってしまった。


「俺は注意したからな。」


仕事だから。
て、あれ。


俺栗原のことどっかであったことある?