【金田side】
「へー随分人望厚いんだね、栗原さん。」
リサーチした内容を沢村会長に報告。
会長の細い目はどこを見ているのか知らないけど、会長席で考え事をしているようだ。
「あのー、会長。特に知りもしない女を生徒会に入れてもいいんですか。」
「さあね。」
「ちょ、そんなんで…」
「いいんじゃないの?俺はこれだけ人望厚ければ、生徒会入れる価値はあると思うけど。」
大輔は栗原のことを随分認めているようだ。
それも生徒会のメリットを考えて。
だが俺は認めない!
「それに、上の人命令もあるし。」
会長は人差し指を上に向ける。
「上!?」
何それ。
俺らの知らない闇の登場人物だよ。
会長より上って誰だ?
「生徒会の絶対権力は私。私がイエスっていったらイエス。」
いいのかそれで!
生徒会は実は会長の独裁政治でした!なんて通用しないぞ。
「ちーす、みんなっ」
空気をぶっ壊して入って来たのは夏目先輩とマルちゃんと佐々木だ。
夏目先輩から目安箱を突き出された。
「今日、金田の番だったな。」
「あ。すみません。」
夏目先輩は硬派だから絡み憎いところがある。
たしかに目安箱の収集忘れてたけどさ。
マルちゃんが俺の横で荷物を下ろす。
「マルちゃん珍しいな。」
「テニス部休みだからねっ!目安箱手伝うよ。」
マルちゃんこと赤丸俊樹は生徒会会計担当。
中学が一緒だった。
でもテニス部と兼部だからあんまり来れない。
生徒会で一番の女好き。
「…今日多いな。」
「どうせ、リア充になりたいとかじゃないの?」
「じゃあナンパすればいいのにね。」
「そういう問題…!?」
こういうとこが軽い。
今まで何人女をたぶらかしたのか。
「おい、キンちゃん。これ…」
「え…"2年D組の栗原さんが危ないです。暴力団に狙われているようです。助けてあげてください。"」
「こっちも。随分多いな。」
13枚の内の5枚。
依頼に答えるかは当番次第。
これは無視出来ないほど深刻なようだ。
大変だ。…俺が。
「あらまあ、仕事増えちゃったね。頑張れ、副会長。」
会長のニコニコ笑顔は心底ムカついた。


