「――だからさ………」


急に声が小さくくぐもって聞こえづらくなったことに不思議に思った葵は、柵に寄りかかりながら、笹川を見つめた。

「ん?」

先程と打って変わって、自信に満ちて堂々としていた笹川が、恥ずかしそうに俯いて、ほんのりと頬を赤らめていた。