「明日さぁ、なんで遊園地行くの?」

「デートしたいから」

「姉ちゃん、服とか選んでさ。めっちゃ嬉しそうなの。だから、さ」

「え?」

「遊び、とかなら許さねぇよ?」

「分んねぇ。本気か本気じゃないのか、なんて。でも可愛いと思う」


ふふっ、と笑った祥太。
俺にはこいつの美的センスが分からん。


「お前、目腐ってるだろ」

「雄紀は弟だから分んないんだよ」

「まぁ、姉ちゃん免疫ないからお前が遊びでも姉ちゃんがマジになることだってあるからな」


忠告のつもり。
姉ちゃんに言って、泣かす訳にはいかないから祥太に言う。

俺なりの優しさ。


「どっちかって言ったら、舞さんのが俺に興味ないよ。弟扱いしかされないし」

「いや、それがお前の思い込みな場合もあるだろ?」

「そうだけど」

「姉ちゃん泣かねぇの。何があっても、でも、お前が泣かせる予感がする」

「なんで?」

「勘だよ」


そう言うと、祥太にシスコンかよって言われた。
ただ、ほんとに弟として姉の泣く顔は見たくない。