明日、何故か姉ちゃんと親友の祥太がデートする。
訳分んねぇ。
金曜日の朝、遅刻ギリギリに学校に行くと祥太はもういて、祥太を狙っているであろう女子の団体に絡まれていた。
「あ、雄くんおはよー」
「はよ。何話してんの?」
「あのねー」
聞いてやると、楽しそうに話す女。
うちの姉ちゃんにはない、ギラギラ具合。
俺の好みは姉ちゃんより普通で、クラスの女子より清楚な子。
「雄紀、聞いてる?」
「うん。で?」
「で、って言われてもそれで終わり」
「落ちつけろよ」
「落ちなんてないよ!!」
「雄くん、うちらに何求めてんの?」
「話が短くなりますように」
「最低~」
なんて言いながらも、結局嬉しそうにまた話し始める。
あ、結局、まだ一言も祥太と喋ってないし。
「なぁ、祥太」
「ん~?」
「一時間目、サボろ」
「良いけど?」
私も行く、なんて言って来た女を毒吐いて追っ払いながら図書室に向かう。
うちの学校で、唯一、誰も来ないのがここだ。