デート、は三日後で初デートっていうわけでもないけど、祥太くんと二人になるのは無性にドキドキする。


「どうしよ…」

「なんでOKしたの?」

「なんか、ね」


ため息をつく。
嫌なわけじゃないけど、微妙な気分。


「てか、姉ちゃん」

「何」

「祥太のこと好きなの?」

なんで?」

「めっちゃ嬉しそうな顔してるから」


リビングでテレビを見ていると弟にいきなり突っ込まれた。


「してない」

「してるけど」

「うるさい」

「好きなの?」

「分んない」


デートまで後、一日。

当日はとびっきり可愛い格好をしていってやろう、と、何故か負けず嫌いな性格が騒いだ。


「これ、可愛いと思う?」

「うん」

「こっちは?」

「そっちよりはさっきのかな、って何で?」


雄紀に見せながら服選び。
意外と真剣に答えてくれるから嬉しい。


「祥太くんの前で変な格好できないでしょ」

「そういうもん?」

「そういうもんだよ」


私は、服を手に持ったまま微笑む。