「ねぇ、あれ亜也ちゃんじゃない?」

「え?」

「ほら、あれ」

「あ、ほんとだ。亜也だ」

「声かけよ」

「うん」






「なぁ」

「何?」

「あれ、匡史さんじゃん」

「どこ?」

「ほら、なんかねだりに行くぞ」

「最低…」





「亜也~」


「匡史さぁ~ん」






「何でだよ、おい」

「良いじゃん。楽しいし」

「匡史さんだけ異様に年上だもんね」

「舞ちゃん、ヒドい」


何故か皆が集まってしまった。
まぁくん家に集合中。


「舞たん、それなに?」

「これ?オルゴール」

「オルゴール?」

「祥太が買ってくれたの」


祥太が舞ちゃんの手からオルゴールを取って、横のネジを回す。

聞こえてきたのは祥太と舞ちゃんが大好きな曲。


「あ、この曲…」

「なに?」

「ファミレスでかかってた」


何故か幸せそうに楓ちゃんが言う。

私たちは舞ちゃんのオルゴールを聞きながらそれぞれ愛する人を見る。


「なんか良いね」


舞ちゃんが小さく呟いた声は、私たち皆に聞こえていた。








【終わり】