とある日曜日…



「あ、祥太見て」

「ん?」

「オルゴール」

「舞、好きなの?」


祥太が私の肩を抱きながら言う。
ピッタリと寄り添ったまま。

雄紀や楓子ちゃんたちは私たちをバカップルと呼ぶけど…。


「うん、小学生の時に集めてた」

「キラキラして宝石みたいだしな」

「そうなんだよ」

「買ってやろうか?」

「え、良いよ」

「いいから、ほら」


私は祥太に手を引かれてその店に入る。
そして、ピンクの小さなオルゴールを手に取る。


「それが良い?」

「うん」


買ってもらって早速、店先で鳴らす。


「あ、なんの曲か見ずに買っちゃったね」

「良いじゃん。運命、運命」

「そうだね」


流れて来た曲は、私と祥太が大好きな曲だった。


「あ、ほんとに運命だ」

「俺らが運命の恋人だからだよ」


ハハッと笑いながら言う祥太。

そんな所が大好きなんだよ。



そんな間も、ずっとオルゴールは楽しそうに歌い続けていた。