「楓子…?」


中に入ると電気はついてなくて静まり返っていた。


「楓子?」


ワンルーム。
ベットの見える位置まで行くと、ベットにすがるように座る楓子を見つけた。


「楓…」

「雄ちゃん」


俺の名前を出しただけで泣きそうになる楓子。


「ごめん。何回謝っても許してもらえないかもしれないけど…俺、楓子が好きだから」

「信じれないよ」

「言い訳して良い?」

「ん…」

「自信なかったんだ。でも、言い寄ってくる女もいるからそいつら使ってやろうって」

「どっちにしても最低だよ」

「そうなんだけど…」


俺は、部屋に電気をつけて楓子の前に座る。

そして、無言で抱き締めた。


「嫌だッ!!」

「楓子…ごめん。愛してる」

「雄ちゃ、私…」

「ほんとにごめん。絶対にもうしないから!!不安にさせることも、俺が不安になることも絶対にもうないから!!」

「…じゃ、約束して」

「え?」


楓子が俺の肩に顔をうずめる。


「私だけ、好きでいて」

「分かった。一生、楓子が好きだよ」


俺が腕に力を入れると楓子も抱き付き返してくれた。