「何笑ってんの?」

「いや…」

「真剣な話なんだよ!?」

「うん、ごめん」


祥太と付き合うことで、姉ちゃんも何かが変われば良いなと思った。








「はよー」

「あ、雄くん。おはよう」

「あれ、亜也は?」

「まだ来てないんじゃない?」

「ふ~ん」


亜也はクラスの女子と相性が悪いらしい。
だから俺らと一緒にいる。

亜也にとっても楓子は特別な存在なんだ。


「ちなみに祥太くんもまだだよ」

「あー、ありがと」


俺は自分の席にカバンを投げて教室を出る。
亜也が来てないわけがないから、学校を探し回る。


「あ…」


亜也を見つけたのは裏門で、匡史さんと密会していた。

亜也は幸せそうに微笑んでいて、羨しがってる場合じゃないけど、羨ましいと心から思った。


「あ、雄紀ー!!」


俺は亜也ではなく、匡史さんに見つかった。


「朝から何やってんすか」

「良いだろ。雄紀もさ、素直になれよ」

「素直…」

「この一週間、楓ちゃんに連絡したか?」


ここでもその話かよ、って思ったけど、心配してもらえるのは有り難い。