恋愛初心者の姉ちゃんの言葉は、胸に突き刺さる。

楓子が学校に来なくなって一週間が過ぎた。


亜也も怒るし、俺が謝らないといけないのも分ってる。

けど…


「別れたいとか言われたらどうしよ」


俺はあいつが大切で、だから逆に謝りに行けない。
メールも、電話もできないでいるんだ。


「怖がってたら何も出来ないでしょ」

「俺が悪いのは分ってるから」

「だから雄紀が謝らないといけないんだよね?」

「そうだよ」


俺は、落ち込んだようにフローリングの床を見て木目を数えたりしてみる。


「らしくないね。雄紀くんは強気じゃないと」

「え?」

「常に俺様だったでしょ。だから彼女もそんな雄紀が好きなんじゃない?」

「俺、そんなキャラ?」

「うん。私が必死に作ったもの、昔から全部自分のにしてた」


それとこれとは話が違うだろ、って思ったけど何故か心が軽くなって姉ちゃんの真剣な顔を見てたら、つい笑ってしまった。