「え、なんて…?」


意味が良く分んねぇ。
は?
姉ちゃん、もう一回言ってくれ。


「だからね、祥太くんと付き合うことになったから」

「はぁ!?」

「明日、祥太くんから聞くと思うけど」


幸せそうに微笑む姉ちゃん。

それを見て、何も言えなくなった。
けど俺は、そんな幸せそうな顔を見て、楓子の顔を思い出していた。

姉ちゃんは、最後に観覧車に乗って頂上でキスをしたとか、楽しそうに話す。


「良かったね」

「うん」


些細なケンカのはずだった。
なのに、俺はあいつを傷付けた。

この世で、何よりも大切な奴なのに。


「あ、雄紀?」

「なに」

「彼女、いたんだね」

「え…」

「大切に、しなきゃダメだよ?」

「知ってるんだろ。ケンカ中だよ。どうすれば良いのか分んねぇし…」


なんでこんな事、姉ちゃんに言ったのかも分らない。

ただ、聞いて欲しくなった。


「雄紀は、このままで良いの?」

「良くないけど」

「恋愛初心者だから分んないけど、明日、謝った方が良いよ」