「止める?」

「大丈夫。楽しみだよ」

「そっか」

「うん」


緊張してるのか、ただジェットコースターが怖いだけなのか舞さんは少し無言気味。


「ほんとに大丈夫?」

「うん」


聞くタイミングが遅かったかもしれない。
ジェットコースターは無言の舞さんと、そんな舞さんが心配で仕方ない俺を乗せて走り始める。


「だ、大丈夫?」

「うん…」


走り終わった後、げっそりしたのは俺の方だった。


「あはは、でも祥太くんがあんなに叫ぶなんて」


舞さんは俺を心配しながらもお腹を抱えて笑っている。


「恥ずかしい」

「なんで?可愛かったよ」

「嬉しくないけど…」

「あはは、ごめんね?」


そんなに可愛く謝らないでよ。
そんな顔されたら、謝られなくても許してしまいそう。


「いいよ。もう次行こう」

「何に乗る?」

「んー、あれ」

「え?」


俺が指差したのはさっき乗ったのとは違うジェットコースター。


「大丈夫?」

「舞さんに俺がジェットコースターがダメとか思われたくないから」


意気込んで乗ったものの、結果は同じだった。