一つ下の、弟の友だち。
私の事を慕ってくれる、弟のような存在。


ただ、この子は美少年と呼ばれる範囲の人間で、根暗で下ばかりを見て生きている私には少し、明るすぎる子。


「あ、舞さん。お邪魔してます」

「いらっしゃい。また勉強?」

「いや、今日はゲーム」

「ほどほどにね」

「はい」


可愛い。
いつも笑顔で、私を優しい気持ちにさせてくれる。


「あ、舞さん!!」

「え?」

「ケーキ美味しかったです。ありがとうございました」

「ケーキって…」

「舞さんの手作りでしょ?分かるよ。ほんとに美味しかったから」

「良かった。あれ、頑張って作ったんだ」

「また食べたいな」


そして、私をキュンとさせる天才。
無意識なのか屈託の無い、満面の笑み。


「また作るから、いつでもうちにおいで」

「ありがとうございます!!」


本当に嬉しそうな顔をして、私にお礼を言う。


「あ、祥太くん」

「え?」

「ここ、フード中に入っちゃってる」

「うわ、すみません!!」


直してあげて、私は部屋に戻る。
祥太くんも弟の部屋に戻ったみたいだ。