「可愛い」

「うるさいなっ…」

「やっぱ可愛いげないかも〜、これじゃひなのの方がまだ、女らしいかもな」


冗談でも辛かった。
ひなのと比べられていることが。

ましてや、自分の旦那さんにそんなことを言われるなんて。

「……ごめんね、可愛くなくて………」

「…真理子、冗談……「冗談でも嫌なの……、悲しいの、ごめんね可愛い奥さんじゃなくて」

涙がぽろっと零れた。
母であっても、奥さんであっても、女の子でありたかった。


達樹の1番でありたかった。