おれは教室を出て廊下に立って言った


「児玉さぁん先生が呼んでるよぉ~!」

「分かった!ありがと榊原君」

おれはそのまま彼女の後をついていき
彼女を人のいないところで呼び止めた


「児玉さん…あのさ」
必死に喋った…女子に話しかけたことなんてなかったからめっちゃ緊張した

「先生いないよ?」

「うん…呼んでないから…」

目を合わせられない…

「どうかした?」
「あのさ…さっきの女子の話聞いちゃったんだけど児玉さんてすごい素直だよね人の良いところとかすぐ見つけられてすごい素直だよ!」

「あ…ありがと」
相手の表情なんて分からない
ずっと目をそらし続けたから…

「けどさ…君の後ろで杉田さんが昼食取ってたの知ってた?知らなかったよね?みんなと会話してるから」
優しく聞いた

「うん…」

「児玉さん杉田さんの良いところとか見つけられる?」
「ううん…まだ話したことないから…」

「お…おれさ児玉さんが話してる後ろで昼食を取ってるのが見てらんなくなっちゃってさ…できれば…できればでいいんだけど杉田さんも会話に入れてくれないかな?」