「優人っていうんだけど、俺より七つ年下の十九歳。専門学校に行ってるんだけど、実は七歳の時から目が見えないんだ。これは運命だったんだって明るく言う奴なんだけど、俺も最近そう思うよ。あいつは神様から選ばれて、目が見えない代わりにきれいな瞳ときれいな心を授かったんじゃないかってね。本当、俺には勿体ないくらいの弟でさあ。」

早和は、弟のことを愛しそうに話す栄人こそ、神様から選ばれた人ではないかと思いながら、気になったことを思わず訊いていた。

「たった一人の家族って・・・?」

栄人の顔から、笑顔が消えた。

「あっ、ごめんなさい。つい・・・。」

「いや、プロポーズすると決めた時に、全てを早和に知ってほしいと思ったんだ。」