早和は話を続けることができなくなり、優人に受話器を渡した。
「兄貴。」
「優人?何でお前が早和のアパートにいるんだ?」
栄人の声に、緊張が感じられた。
「兄貴、早和さんは大丈夫だよ。何もなかった。俺が調度通りかかって、警察署まで一緒に行ってたんだ。」
「よかった。お前が早和を助けてくれたんだな、ありがとう優人!
じゃあ、今からそっちに迎えに行くよ。
早和の顔も見たいし。」
「いや、兄貴、迎えに来てくれなくていいよ。」
「何言ってんだよ、優人。
お前が幾ら弟だからって、早和の部屋に泊まるなんてこと許せるわけないだろ。」
栄人の声は、今迄聞いたこともないような怒りを含んだものだった。
「兄貴ごめん。
俺は今迄、兄貴が幸せになることだけをいつも願ってた。
これは決して嘘じゃないよ。
けど俺、早和さんを愛してしまったんだ。
ずっと諦めようとしたけど、どうしようもないんだよ。」
沈黙が流れる。
「明日、二人で会いに行くから。」
「えっ、二人でって・・・。」
栄人は、早和も優人と同じ気持ちであることを悟った。
頭の中が真っ白になり、今は何も考えることができない。
「分かった。」と、それだけ答えて、無意識に受話器を置いた。
しばらく、電話の前から動くことができなかった。
「兄貴。」
「優人?何でお前が早和のアパートにいるんだ?」
栄人の声に、緊張が感じられた。
「兄貴、早和さんは大丈夫だよ。何もなかった。俺が調度通りかかって、警察署まで一緒に行ってたんだ。」
「よかった。お前が早和を助けてくれたんだな、ありがとう優人!
じゃあ、今からそっちに迎えに行くよ。
早和の顔も見たいし。」
「いや、兄貴、迎えに来てくれなくていいよ。」
「何言ってんだよ、優人。
お前が幾ら弟だからって、早和の部屋に泊まるなんてこと許せるわけないだろ。」
栄人の声は、今迄聞いたこともないような怒りを含んだものだった。
「兄貴ごめん。
俺は今迄、兄貴が幸せになることだけをいつも願ってた。
これは決して嘘じゃないよ。
けど俺、早和さんを愛してしまったんだ。
ずっと諦めようとしたけど、どうしようもないんだよ。」
沈黙が流れる。
「明日、二人で会いに行くから。」
「えっ、二人でって・・・。」
栄人は、早和も優人と同じ気持ちであることを悟った。
頭の中が真っ白になり、今は何も考えることができない。
「分かった。」と、それだけ答えて、無意識に受話器を置いた。
しばらく、電話の前から動くことができなかった。
