バイトがない学校帰り
あたしは落合君と地元駅で
待ち合わせをしていた。
「瀬莉じゃあねーっ!」
「ばいばいー!」
あたしが友達と別れた後しばらくすると自転車に乗った彼が登場。
「お待たせ!乗って♪」
「ありがとう」
あたしは自転車の後ろに座り
彼の背中を少し掴んだ。
ゆっくり話せる場所に行きたくて
近くのファミレスに行った。
学校の事、恋の事、バイトの事、いろんな話をしたけど話題の中心はあたしの恋の悩みになった。
落合君は親身に相談にのってくれた。
彼はあたしより1個下。
違う高校の1年生。
だけどすごく年上に見える。
ルックスはもちろん、
一緒にいると与えられる安心感があたしに
そう思わせたのかも知れない。
あたしには2個下の弟がいるせいか、年下は恋愛対象外だったんだ。
落合君は年下だけどそう感じさせなかった。
気がつけば
もっと彼のことを
知りたくなっているあたしがそこにはいた。
「瀬莉まだ時間ある?」
「まだ大丈夫だよ。」
「もう少し話したいな。」
「いいよ。」
あたしもまだ帰りたくなかった。
もっと一緒にいたい・・
あたし達は近くにある図書館の裏の小さな階段に肩を並べて座りこんだ。