「智矢? 智矢ってばぁ!」
強く抱きしめられているから、かなり苦しい。
一生懸命名前を呼んでも返事がない。
「ねぇ、智矢?! どうしたの?」
「...き」
「えっ?」
「好き」
「…?」
「好き!!!」
え???
智矢が、あたしのことを好きって...?
夢...じゃないよね?
「…うっ…うわぁん」
やばい! 涙がぁ。
「おい! なんで千春が泣いてるんだよ!!」
「だって...だってぇ」
「泣くなって!」
智矢が指で涙を拭ってくれる。
だけど、ごめん。涙が止まらないんだ。
そのまま、20分ほど涙を流しっぱなしだった。
「そろそろ落ち着いたか?」
「…うん。」
ずっとずっと、抱きしめてくれていた智矢。
ごめんね。
「...で、返事は?」
あ、告白の返事まだしてないんだった。
答えは決まってるよ。
「よろしくお願いします...っ」
「千春ーっ!!」
今度は優しく抱きしめてくれた。
照れ顔で見つめてくる智矢。
か...彼女になっちゃった。
