結局あたしとリコはイチゴのタルトセット♪千里とキモ金髪野郎には無理やりチーズケーキセットを押し付けてやった。


あたしたちは、千里とキモ金髪野郎と合流すると叔父貴にケーキを奢ってもらうことになり、ショッピングモール内のカフェに落ち着いたってわけ。


「あ、姐さんの……おにーさま方??ですか…?」


と背筋を伸ばしながらも、恐々キモ金髪野郎が目の前の二人を見る。


「姐さん?」叔父貴が優雅にアイスコーヒーを飲みながら、キモ金髪野郎を流し目で見た。


ってか何!その無駄に色っぽい視線はっ!!


「ああ、こいつが勝手に言ってるだけ。気にしないでよ。それにこの人はあたしの叔父貴。それから叔父貴の秘書」


ついでに言うと、叔父貴は戸籍上では戒のお父さんだ。


もちろん、そのことは黙っておいたけど。


あたしはそれぞれをみんなに紹介した。


「叔父さん!若っ!!」キモ金髪野郎の言葉に気を良くしたのか、叔父貴はにこにこしてリコに視線を移した。


「君は、川上さんだよね?川上 理子さん。朔羅からよく話を聞いてるよ」


「あ、あたしも朔羅から聞いてます。すごくステキな叔父さんだって」


叔父貴は照れたようにちょっとだけ笑った。


「私も以前一度だけお会いしたことがあります。朔羅さんとは随分親しげでしたね」と鴇田。


「以前…?」


「ほら新垣 エリナがこの人のこと、朔羅の父ちゃんと間違えたとき…」と千里が説明を添えてくれたけど、


最後まで言い終わらないうちに鴇田の鋭い視線が、千里を刺した。


あの切れ長の目を、射るように険しくさせ眉間に寄せた皺を一層深く刻む。


あたしでもビクっとしてしまうほど、怒気を孕んだ険しい視線。




千里がびっくりして居竦んだ。