そ、そんなに居たのかよ!!


ガーン…とショックを受けていると、




「まぁそりゃ戒さんにはたくさんそう言う人が居ましたけれど、お嬢と出逢ってからお嬢一筋ですから。


そうゆうのって比べるものじゃないし、自信持っていいんじゃないですかね」



キョウスケ……


おめぇやっぱ優しいな…


じーん、と感慨にふけっていると、



以前戒には鈴音姐さんが決めた婚約者が居て


さらには「婚約破棄をする為に海外に逃げてたってワケ」


と戒の言葉をふと思い出した。



「あ…あいつのさ……婚約者だった人ってさ…」


どんな人だったの?と続けようとしたが、





「鞠菜のこと聞いてはるんですか?」





とキョウスケがびっくりしたように目を開いたのを見てあたしの方がたじろいだ。


マリナ―――……それが戒の婚約者だった人…


可愛い名前……


「まぁ、あいつからちょっとは……キョウスケ知ってるの!?」


あたしが勢い込むと、キョウスケはたじろいだように身を引いた。


あたしは知ってる。


キョウスケが動揺するとお里(オクニ)の言葉が出るってことを。


「言えよ!何か知ってンのかよ!!」


あたしの気迫にたじろいだのか、キョウスケは言いづらそうに口を開いた。






「鞠菜は―――……






俺の妹です」