「でもさぁ。甘い言葉でお泊りに誘われたぐらいで倒れるぐらいだから、本番は大丈夫なのぉ?」


本番とか言うな!!


「だ、大丈夫…」じゃないかもっ(泣)


そんなあたしの心情も知らずに、リコはマイペースに下着を選んでいる。


「ねぇ、こっちの方が良くな~い??」


とリコが手に取ったのは、ヒョウ柄の派手派手ブラセット。


「あ、ありえないし!!」


「えぇ?そぉお?龍崎くん好きそーだけどなぁ」


「あいつを何だと思ってるんだよ!」と思わず抗議したものの、手に取ると


好きかも……なんて考えてしまうあたし。




戒の好きそうな下着―――……


なんてあたしが分かるはずもなく、


今朝さりげなぁくキョウスケにリサーチしてきた。


もちろん、どんなブラが好みだとかは聞いてねぇけどな。


「戒さんの好きな服装?」


聞かれたキョウスケは、ちょっと面白くなさそうに顎を引いていた。


「うん。キョウスケしか知らないと思うし…色とか柄とかさぁ」


なんて頼み込むと、キョウスケは困ったように眉を寄せていた。





「そうですねぇ。色は青色が好きだったと思いますけど、女性の好みまでは……


まぁ敢えて言うならば、お嬢ですかね」




そう言われて嬉しいけど、それじゃ参考になんねんだよ!!




「そのさ…前に付き合ってた女の人とかでタイプとかわかんねぇの??」


こんなこと聞きたかねぇけど、敵を知るには少しでも情報を得る必要がある!


「前にねぇ……」キョウスケは顎に手を当て、首を捻る。


やがて出した答えは……


「たくさん居すぎてわかりません」


だった。