あたしは戒からぷいと視線を外すと、口を尖らせた。


「あ、あたしは!お前みたいに慣れてないから……その…テクニックとか…持ち合わせてないって……」


言わすなよ!こんなことっ!!


「はぁ!?」


戒の頓狂な声が降ってきて、あたしはまたも恐る恐る顔を戻した。


戒は乱暴とも思える手付きであたしの顎を掴み、ぐいと真正面に向かせる。


でもその手にちっとも嫌悪感を感じなかった。むしろ戒の手があったかくて、心地よかったんだ。


戒は真剣にあたしを覗き込んでいたと思いきや、またふっと表情を緩ませた。


薄い口元に笑顔を浮かべ、微笑みを浮かべるその顔にドキンとまた心臓が大きく跳ねた。


あたしは―――戒のこうゆう笑顔が好き。





「テクニックなんて必要ねぇよ。


必要なのは“愛”だ。


それ以外何も要らねぇっつの」







愛…Love…AI―――


またもあたしの頭の中で単語がぐるぐる。