思えばこんなこと―――はじめてだった。
今まで外から引き裂かれるような出来事があっても、あたしたちはちゃんと繋がってるって自信があった。
二人の気持ちが通じ合ってる自信はあった。
だけど気持ち自体が見えなくなることなんて―――
はじめてだ。
考えたら戒は結構謎なとこあったし(蠍座だしな←関係ない)考えてること良くわかんないし…
でも
一緒に居るうちに…繋いだ手の絡まりのように、戒のことを知って、あいつがあったかくてや優しくて、強いことを知った。
あいつの行動って意味不明なところが多いけど、でもいつもちゃんと意味があって―――
ちゃんと……
『朔羅―――花火大会はごめんな。でも来年は一緒に行こう…』
受話口から戒の声が聞こえてきて、その声の向こう側に祭囃子と賑やかな人の声が近くで聞こえる。
近く―――
それはあたしの周りの音じゃなく、戒も同じ場所に居ることを物語っていた。
あたしは振り返った。
祭りで賑わう人たちの波の間から、戒があたしたちの方を見てケータイを耳に当てていた。
―――戒……
やっと…
やっと会えた―――



