。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。




ちょっと待て…この場合の、“あの人”ってことは鴇田…のことだよなぁ、きっと。


「何で!?どこをどー見てあいつのこと気に入ったんですか!」


「どこって?もう全てよ!!顔から体形から声の質の迫力まで。あたしの好みなの!!」


それって店長は鴇田にラブってこと!!?


いや…いやいやいや…


「あいつにはもう決まった人(叔父貴のこと)が居るんです。残念ですが……」


なんて嘘を並べると、


「決まった人?やっぱりどこかの店の黒服かしら~。

ほら、うちって女性客多いじゃない?たまにああゆう変な客が来て困るのよねぇ。

うちとしてもトラブルも困るじゃない?」


黒服…?


ああ、店長は鴇田を変な目で見てるわけじゃなくて、ただ単に用心棒として雇いたかったワケね。


だけど黒服って…どこをどー見たらそーなるんだよ。


「あいつああ見えて黒服じゃなくて税理士?ですよ」


「税理士??あら~そう。まぁ見えなくもないわね」なんて言って、でも店長は残念そう。


とりあえず、あたしの首は繋がったわけ??


「ところで税理士の彼とはどーゆう関係?親しそうだったけど」


親しそう言うな!あいつとは無関係だ!!


と怒鳴りたいのをこらえ、


「叔父貴の秘書なんです」と笑ってごまかした。


とりあえずクビにならないため今は必死だ。


「あの…ところであたし……クビ…ですか??」


「クビ?いやぁね。あんなことぐらいでクビにするわけないじゃない。あんたは良く働くし気が利くからね」


良かった~…


とほぉっと息をついて思わず肩を落とすと、


「それより」とまたも店長が真剣な顔であたしの肩をがっと握ってきた。


「彼、名前何て言うの?」


やっぱ気があるんじゃん……


「ヤクマルですぅ」なんて言ってごまかして、あたしは笑顔を浮かべた。


「薬丸さんね♪覚えたわ」





ヤク○。間違ってねぇだろ?