リコが重大な告白をするかのように表情を引き締めて、キョウスケの寝顔を見つめている。
良かった。あたしはてっきりリコに嫌われたと思ってたから。
「ありがと。あたしもリコのことすっげぇ好きだよ」
照れくさくて早口に伝えると、リコはあたしに振り返った。
「そうじゃなくて!」
少しだけ声を荒げてあたしを見る。語尾が少しだけ震えていた。
「そうじゃなくて……あたしと朔羅の好きは、たぶん一緒じゃない。
あたしは朔羅を親友とかじゃなくて、それ以上に思ってる」
――――……え……?
「……えっと…それは……」
どういう意味なのか一瞬分からなくてあたしは目をまたばいた。
「あたしはキョウスケさんに対する想いと同じものを朔羅に抱いているの」
リコは早口に言ってぱっと顔をそらす。
あたしの手からリコの手が遠ざかっていった。
あんなに熱かった体温が離れて、急にあたしの手は寒々と冷え切ったように思えた。
「……気持ち悪いでしょ…?」リコが自嘲じみた笑みを浮かべて、くしゃりと前髪を掻き揚げる。
「…いや。気持ち悪いとかじゃなくて…」
あたしはおろおろとうろたえた。
だってキョウスケに対する気持ちと同じって…
それって―――
えぇ!?