。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



見てはいけないものを見てしまった…


あたしはその扉をそぉっと締めると、キョウスケに気付かれないよう、後ずさりをした。


その背中に誰かとぶつかった。


「あ、すみませ……」


慌てて謝ると、ぶつかった相手…たぶん客だと思うけど、大学生ぐらいの男たち二人組みが最初はびっくりしたものの、すぐににやにや笑いを浮かべた。


「なぁに男子トイレ覗いてるの♪」


み、見られてた~!!


「い、いえ…ツレがトイレに行ったきり帰ってこなくて、心配で」


あたしが慌てて手を振る。


ホントのことだ。


でも男たちは顔を見合わせてにやりと笑っただけだった。


「ふぅん。そのツレさ、どっかきっと違う女とヨロシクやってるよ。だから俺らと楽しまない?」


と、一人が笑いかけてくる。


違う女と―――?






「バカ言ってんじゃねぇ!キョウスケはそんな野郎じゃねぇよ!!」






何だか無性に腹が立って、あたしはよそ行き顔じゃなく素で思わず怒鳴った。