。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



そんな不機嫌キョウスケに、リコが慌てて掛け寄ってく。


「あたしたちも一緒にデュエットしません?♪」


「び……くりしたぁ」とビビったように小さく口に出したのはキモ金髪野郎。


あたしだってびっくりしたもん。カタギのお前にゃ、ちょっと刺激が強すぎたか。


それにしても……リコって怖いもの知らず~


今でもにこにこキョウスケの隣に座って、タッチパネルリモコンを見せている。


それにはさすがのキョウスケも気持ちを穏やかにしたのか、さっきの怖いほどの迫力をしまいこんでいる。


「何だよ、ケチだよな」


と戒が不服そうに唇を尖らせていたが、こっちもあたしが心配するほど怒ってはいなさそうだった。


キョウスケのあの態度から戒がキレて、マジ喧嘩に発展するのを恐れていたけど、さすがにこの場じゃそれはないか。


「俺も姐さんとデュエットする♪」なんてキモ金髪野郎も言い出し、


「もうやらねぇよ」とあたしは呆れかえった。


千里は戒があたしから離れないことを諦めて、ぶすりとそっぽを向いている。


そんな千里に、


「ほら!千里も!!歌おうぜ~」なんて言ってキモ金髪野郎が千里を引き連れていった。


な、何か助かった??


やっぱキモ金髪野郎を連れてきてホント正解だったかも~


もしかして戒はこうなることを見越してて、キモ金髪を呼んだのかな。


……まさかね、さすがの戒もそこまで読めないだろう。


当の本人、戒は歌本を引き寄せてぱらぱらとめくっている。