部屋に戻ると相変わらず賑やかな戒とキモ金髪野郎、それにリコが混じって三人は楽しそうだった。
三人してタッチパネルを覗き込んでいる。
「何なに?」
あたしはその光景を見て、その輪に加わった。
「龍崎くんが朔羅とデュエットしたいって言うから、曲選んでたところ~♪」
とリコが明るく言って笑う。
「デュエット……」
いや…それは恥ずかしすぎるよ。
あたしは逃げるようにしてソファを這ったが、むんずと戒の手があたしのスカートの裾を掴む。
ってかどこ掴んでんだよ!
引っ張られたスカートを戻していると、
「どこ行くんや。もう入れたで♪」と戒がにこにこ顔でマイクを手渡してきた。
ほんっと…やること早いよな…
あたしは勘弁してしぶしぶマイクを受け取った。
歌まで上手い戒と二人で歌うなんて、恥ずかしすぎるよ!
なんて思ってたけど、
~♪
あら、意外。
戒の声は丁度いい高さと速さで、心地よくあたしの声と重なった。



