。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



「でも考えてみてください。可愛い顔が二人だけど、迫力もその倍」とキョウスケも添える。


「わ~何かにぎやかだけど大変そう」なんてリコが言って話題は変わりつつある。


ちょっとキョウスケ!迫力ってなんでぃ!!しかもリコ、大変そうって。


まぁ否めないけど。



でも………


みんなの優しさが痛いほど伝わってきて―――鼻の奥につんと嫌なものを感じた。


「あ、あたし!飲み物持ってくる!ここセルフだったよね。みんなは??」


慌てて立ち上がると、


「一人じゃ大変でしょうから俺も行きます」とキョウスケも立ち上がった。


「あ、あたしオレンジブロッサム♪」とリコがわざと明るい声で答え、


「俺も行く」と千里も立ち上がる。


「俺ビール♪」と戒はいつも通り。


ついでにキモ金髪の飲み物も聞いて、あたしはそれぞれのグラスを手に取り、キョウスケと千里とともに部屋をあとにした。


キョウスケも千里も何も言わない。


何も言わずあたしの後を大人しく着いてくる。


でも今は―――その沈黙が少しだけありがたい。


ドリンクのカウンターに行くまで、少しの間だけ感傷に浸らせて―――?







「えっと、ビールと…あれ?何だっけ?」


カウンターに居る店員のお兄さんにグラスを差し出してあたしは迷った。


「ビール二つに、オレンジブロッサム、それからラムコーク…お嬢と一ノ瀬くんは?」とすかさずキョウスケが言ってくれてあたしはほっとした。


「あたしはオレンジジュース」


「俺はウーロン茶」と言ってそれぞれグラスを差し出すときには、すっかり気分が元通りだった。