「マジっすか!!」キモ金髪野郎が興奮気味に勢い込んだ。
あたしだって想像するだけで…
鈴音姐さんが―――あの色っぽい姿でキセル――!?
ぶーーーー!!
いかん!!リアルに想像できる!しかもすっげぇエロい!!
マジで鼻血を吹き出しそうになっていると、
「龍崎くんのお母さんって綺麗な人なの?」とリコが可愛らしく小首をかしげて聞いてきた。
「超絶美人だぜ!迫力もハンパないし、叔父貴に啖呵切ったときはあたしでさえビビった~」とあたしは少し前の二人の喧嘩を思い出し思わず苦笑い。
「響輔さんのお母さんも……そんな人なの…?」とリコはちょっと探るようにキョウスケを見る。
「弓枝姐さんも美人だぜ~♪でもどっちかって言うと可愛いカンジだよな。川上の母ちゃんみたいに」
「へぇ。極道の女の人ってもっときついイメージありましたけど」とキモ金髪野郎は興味津々。
「姐さんのお母さんも迫力のある美人なんですか?」
と何も知らないキモ金髪野郎があたしに聞いてきた。
「うちの母さんは……」
あたしはちょっと考えるように首をかしげて―――言葉につまった。
「「進藤先輩……」」あたしに母さんが居ないことを知っている千里とリコが困ったようにキモ金髪を見ている。
母さんの顔は写真で見て知ってるけど、写真の中の母さんは年齢が止まってて、ついでに言うとどんな人だったのか詳しく知らない。
みんなにはお母さんが居て、いつも口うるさいだろうけど、本当は愛情深くて―――
息子(娘)をとても大切に想っている。
だけどあたしの母さんは―――
「朔羅の母ちゃんは朔羅にそっくりだって♪
めっちゃ可愛い母ちゃんだよな♪」
戒が目の前で穏やかな微笑みを浮かべていて―――その言葉が、その微笑みが
すごく嬉しかった。



