。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



あたしはリコとだってプールや海に行ったことがない。


お風呂もないし。


この紋があるのを知ってるのは叔父貴と―――戒だけ……


戒はそんなあたしの思考を遮るかのように、


「響ちゃん、火貸して♪」と大きな声で言った。


いつの間にかタバコを一本手にしている。


何となく前を見ると戒とキョウスケが顔を近づけ合って一つのライターでタバコに火を灯していた。


戒……微妙な空気を読んで、わざと明るい声出して…


って思ったのもつかの間。




ブーーーー!!




ちょ、ちょっと!その光景何か美しすぎるんですけどっ!!


隣のリコも


「イケメン二人!!な、何かイイ!」って目を輝かせている。


タバコは嫌いだけど、タバコに火をつける男って何かかっこよく見えるんだよね。


叔父貴も、あの瞬間はマジで鼻血吹き出しそうになるぐらいエロかっこいいしな。


「姐さんは吸わないんですか、タバコ」


とキモ金髪野郎が聞いてきた。


「誰が吸うか!あたしゃ身も心もクリーンなんだよ!」


あたしが怒鳴ると、


「姐さんだったら着物着てキセルなんて吹かせてたら、すっげぇ様になりそう♪」


なんてとんでもないこと言い出しやがった。


その向かい側で口から煙を吐き出しながら、


「俺のおかんのリアル姐さんは和服にキセルだぜ?お前鼻血もんかもよ?」


なんて言い出す。