結局何度雑誌を読み返しても、イチの情報は出てくるわけでもなく、時間だけが過ぎていった。


午後5時を過ぎた辺りで、リコのケータイが鳴った。


ディズニー音楽のオルゴールメロディーだ。


リコ…着メロまで可愛いやつ。あたしなんて極妻だぜ?(戒に勝手に変えられた)


「あ、千里からだ」


ケータイを開いて、リコはちょっとあたしの方を見た。


んゲ


何かいやぁな予感がする。


「もしもし千里?どーしたの?」


ちょっとの間リコは相槌を打っていたけれど、「え!?今から??」と突如声を荒げた。


「や!今はちょっと」と言ってあたしら三人の方を目配せする。


どうやら千里は今からこっちに来るみたいだ。


「追い払って!」とあたしは目で必死に訴えかけた。


只でさえややこしい状況だってのに、千里が来たらもう一悶着ありそうだ。


「―――CDなんていつでもいいよ。あたししばらく聞かないし、千里に貸しておいてあげる。―――え!?もう家の前!!」


んぎゃ!


「ちょっと!」と言い終わらないうちに、


ピンポーン。インターホンが鳴って、リコママの明るい声が聞こえてきた。


「リコ~千里くん来たわよ~♪あがってもらうわね~」


って声とともにスリッパの音が響いてくる。


ど、どーしよ!