ハッキング―――ー!!


キョウスケ、お前何モンだよ!!!


あたしの驚きをよそに、キョウスケはパソコンをマイペースに立ち上げた。


カタカタと滑らかなタッチでキーボードを操り、黒い画面に緑色に光る数字やら英字やらがいっぱい立ち並んでいる。


見てもわかんねぇ。


画面いっぱいに文字が並んだところで、キョウスケは“Enter”キーをパチンと押した。


黒い画面に、白い線がたくさん入った―――


それは間違いなく本部の見取り図だった。


入り組んだ廊下などの細かい部分もしっかりと表示されている。


キョウスケの背後まで移動してきた戒は、目を細めて腕を組んだ。


「これが青龍会本部?セキュリティもかなりしっかりしてるな。お前は行ったことある?」


戒があたしをちらりと仰いだ。


「年に2、3回は」


死んだ母さんや親父の命日や、お盆お彼岸なんか墓参りにいく。


そのときも確かに見張りのいかつい男たちが居たっけ。


「防犯カメラもあちこちに設置してあります。このカメラの映像は本部制御室で一括で管理されてますね」


「見張りも居るな」戒は赤く点滅した小さな印を、指で指し示した。


「平常なら外に5人、中に5人程度ですね。ただ、幹部会などが開かれる場合などはもっと厳重になり、外に20人、中に15人程になります」


あたしは戒とキョウスケの話を、目を細めながら聞いて視線を画面に走らせた。


入り組んだ細い迷路みたいな廊下。


それを辿っていくと、中央に四角の部屋を見つけた。


「ここ!あたしが言ってた墓ってのはここだよ!」