「まぁ二人でビール飲みながら結構深いところまで話したことがある仲だし…って言っても正体がバレるようなことは言ってませんけど…


だからじゃないですか?」


と、どこか納得できないような台詞で締めくくるキョウスケ。


「ふぅん。ま、どーでもいいけど…」


と、言う割りにはどこか腑に落ちない様子の戒。


それでも


「今日は三人川の字になって寝ようぜ♪一人余分だけど」


と戒は思わぬアクシデントにも楽しそう。こっちは必死だってのに…


ま、いいか。両隣に安心(?)できる野郎が二人居たら雷だってちょっとは怖くないかも……




―――


――


結局、キョウスケのお布団をあたしが借りて、その隣でブランケットにくるまった二人が寝ることになった。


「まだ復旧の目処は立ってないようですね」


ケータイのテレビを流しながら、仰向けになってキョウスケがぽつりと漏らす。


さっきみたいに強い雷鳴はないものの、まだ外の方でごろごろいってるし、眩しいぐらい雷光が輝いている。


その度にあたしは布団を引き上げ、ぎゅっと目を閉じた。


「だけどお前が雷苦手だったなんて知らなかったぜ」


と戒が楽しげにあたしを覗き込んでくる。


う゛!


だから嫌だったんだよ!バカにされそうで。


だけど戒は



「可愛いとこあるじゃん♪俺、お前の女らしい悲鳴聞いたのはじめてかも♪」



と優しく囁いて、あたしの頭を布団の上からぽんぽんと叩いた。