「そう言う……こと……?」


あたしは目を丸めて、二人の話に相槌を打つしかなかった。


「でも、それなら何でもっと早く言ってくれなかったんだよ!お前、イカガワシイお店だっつたよな!!」


ほっとしたのか、いつもの調子を取り戻したあたしは戒を睨んだ。


戒は白々しい表情で、肩をちょっと竦めてみせる。


「あのときは…漠然とした計画で、まだ大々的に進められてなかったんです。たとえお嬢でも、他言無用だと俺たちも龍崎会長から言われてましたので」


叔父貴~~~!!


なんっで、あたしにそんな隠し事するんだよ!!


あたしが誰かに漏らすってのか!?


だからこんなややこしいことになってんだろ!




でもそっか…あたしの思い過ごしかぁ。




叔父貴が最近調子悪そうにしてたのも、単なる過労からか。


変に勘ぐってたからあんな夢……


夢で思い出した!




「キョウスケ!青龍会本部のこと調べられた!?」




「何だよ、青龍会本部って」


聞いてねぇぞ、ってな具合で戒が片眉を吊り上げた。


「ええ。一応は調べてみましたけど、何といっても本部ですからね。俺がやすやすと足を運べる場所でもなくて」


「まぁそうだろうな」さすがのキョウスケでもそれは無理だったか。


「でも、龍崎グループのパソコンサーバーに侵入して、内部の見取り図などのデータをハッキングできましたよ」


そう言ってキョウスケはA4サイズの小さなノートパソコンを開いた。