「考えたら白虎の跡取りが、敵陣に居るってだけでかなりのリスクだぜ?絶対的な身の保障がなけりゃ、俺をノコノコこっちに帰すわけねぇって」


そう……だよな―――


「龍崎会長と姐さんが何を企んでるのか知りませんけど、この一週間の間で、彼らの間に再契約が結ばれた可能性はあります」


「それが戒の身の保障ってワケ?」


あたしは「う~ん」と唸って再び腕を組んだ。


「どうりで、鴇田のフットワークが軽いと思った。次の日には戒の情報を掴んでたからな」


「鴇田か…あいつらいっつもセットだよな。仲良すぎ。デキてるんじゃねぇの?」


ブーーーー!!!


戒のオソロシイ発言にあたしは飲んでいたウーロン茶を吹き出した。


斜め前に座っていたキョウスケにまともにかかったが、今は気にしてる余裕がねぇ!


あたしは机をバンっ!と叩いた。


「デキてるって!!お前らと一緒にすんなっ!!」


「はぁ!?どうゆうことだよ!」


「やたらと仲いいじゃん。風呂だって一緒に入ってるし、この間はチューだって」





「あれはお前があまりにも疑うからだろ!!俺もこいつも男には興味がねぇ!!!


それにこいつはお前のことを!」





言いかけたところで、


グイっ


顔をタオルで拭いながら、戒の腕を引っ張った。


表情まで一緒に拭い去ってしまったんじゃないか、って思えるほどキョウスケの顔は温度の感じられない冷たい表情だった。