鈴音姐さん(スズネネエサン)が―――……


いや、何でそう思うわけ??


あたしの疑問を読んだのか、戒は真剣な顔でさらに続けた。





「これではっきりした。龍崎 琢磨とおかんは間違いなくグルだ」





叔父貴と姐さんが―――!?


「なん……で…?だって姐さんにとっては血を分けた自分の息子だろ?(あんま似てないけど)子供を危険な目に遭わせるって気持ちが分かんねぇよ」


眉を寄せてあたしは戒を見た。


確かに喧嘩ばっかりの親子だけど、それでも姐さんは戒のことを心底心配してただろうし、戒だって心の底から姐さんのことを嫌ってる風には見えない。


不安と疑心に満ちたあたしと戒の視線が空中で絡み合い、互いに無言で居るとキョウスケがあたしたちを仲裁するように口を開いた。


「恐らく今回戒さんが襲われたのは、龍崎会長側が仕掛けた刺客でしょう。鈴音姐さんは何も知らされず、慌てた筈です。
だから戒さんを大阪に連れ戻した」


「そんなところだな」戒は険しかった視線をふっと緩めると、


「『話が違うやろ!龍崎はん、こないなことなら戒と響輔は大阪に連れ戻します!』ってな感じだ」


戒は姐さんの声真似をした。


ってかなにげに似てるし!


親子だからか?いやいや、こいつマジで声優になれるって…


あたしの考えが逸れて来たから、慌てて話しを戻した。


「それなら納得がいくような、いかないような…」


ただ謎は残ってる。




叔父貴があたしたちに知られたくないことって―――何?