何にも考えて無かったから、あたしの体はあっさり傾き、ついでに肩に頭を乗せていた戒も雪崩のように崩れてくる。


「ぅお!何だよ!?キョウスケ!」


キョウスケはあたしの腕を握ったまま、真剣な表情であたしと戒を交互に見つめ、


そのまま手を離すと思いきや、あたしはキョウスケに引き寄せられた。


え……?


抱き寄せられる、と思う程の力と勢いだったけれどキョウスケはそれをせずに、ただあたしの腕を握り、戒を睨んでいる。


握られた手が熱い……


ど、どうしたの……?キョウスケ……


びっくりしてあたしがキョウスケを見ていると、キョウスケは険しかった視線をふっと緩めて、


「いえ。すみませんでした」


と言ってあっさりあたしの腕を離した。


そして元居た場所に腰を降ろすと、あぐらを掻く。


な……なんだってんだぁ?


隣で戒も意味深な視線をキョウスケに向け、そっぽを向いているキョウスケをじとっと見つめている。


また……


何か険悪な雰囲気…


やっぱこの二人何かあったんじゃ―――