か、可愛い!!?イイ女!!
ギャ~~~!!!
ヤバイ!そんなこと言われたら顔から火が出そう。
近くを通りかかったスタッフの一人が、
「何やってンの?」と言った感じで不審そうに、しゃがみこんでこそこそ話すあたしたちを見下ろしている。
「うっせぇ。見ンじゃねぇよ!ぶっ殺されてぇのか!」
―――とは言ってないけど、そんな迫力を含ませた視線で戒が睨みを利かすと、スタッフの男の人は慌てて去っていった。
あたしはそろりとカウンターから顔を覗かせて、叔父貴の座っているテーブルの方を見た。
叔父貴は戒が勧めて、あたしが運んだケーキを優雅に口に運んでいる。
気品があって、優雅で、かっこいい!――――ケド
ケーキを食う叔父貴……周りの女性客が、うっとりした様子でそんな叔父貴を眺めている。
浮いてる!すっげぇ浮いてる!!しかもすっげぇ違和感!
「あれほどケーキが似合わない男もある意味貴重だよな」と戒も隣で顔を覗かせ面白そうに、にやりと笑っていた。
―――
バイトは予定通り3時に終わることができた。
慌てて私服に着替えて、店に迎えに行くとすでにケーキを食べ終えていた叔父貴は、アイスコーヒーを飲みながら、優雅に雑誌を読んでいる最中だった。
「お待たせ。何読んでるの?」
叔父貴の手元にあるパステル色をした雑誌に視線を落とすと、表紙に“たまごクラブ”となっていてあたしは目を剥いた。
挙句の果て、
「娘を育てるのは結構大変なんだな」なんて意味深な発言!
「え!?叔父貴の、ののののの――――!!?」
びっくりし過ぎてあたしは声をつまらせた。



