どうしてあたしに隠し事をするの?


あたしに知られたくないことって何?


あたしはずっと叔父貴のことを信じてたんだよ。


言いたいこと、聞きたいことはいっぱいあったけれど、


それと同時にあたしは知ることが怖かった―――




叔父貴がどこか遠くへ行っちゃいそうで。


もう、二度と手の届かない場所へ行ってしまいそうで。






怖かった。





―――


「と言うとことで、青龍会本部に行ってくることになったから」


レジカウンターの下でしゃがみ込み、あたしは戒にそのことを打ち明けた。


「何で向こうから言い出してきたんだ?怪しいな。罠かも」


ヤンキー座りをして、戒が顎に手をかけ目を細めている。


ってかヤンキー座り。すっげぇ、さまになってんな。


さすが極道!


って、今はそんなこと考えてる場合じゃねぇ。


「叔父貴があたしを罠にはめる理由が分かンねえよ!」


声を潜めてあたしは戒を睨み上げた。